俺が大学生の時、アウトドアサークルに入っていた。
それで4年生の時に、2年後輩に映子という彼女がいた。
彼女は芸能人で言うと酒井美紀似の小柄な可愛らしいタイプ。
その日は、サークルの定例会とは言っても、一通りの活動報告が終わると飲み会に変貌するという、サークルの恒例行事だった。
いつも大学の合宿所を借りて夜を徹して行われるのが通例だった。
「かんぱ~い」
威勢の良い掛け声と共に、定例会は飲み会タイムに突入した。
それまで行儀良く整列していたメンバー一同は、4~5のグループに分かれて、思い思いに酒盛りを始めた。
俺は、映子とは別の集まりに陣取った。
他のメンバーに変な気を遣わせないように、サークル活動中は、なるべく余所余所しくするのが俺たちの間での約束事だったのだ。
2時間ほどが経過した。
俺は、それとなく映子のいるグループを盗み見た。
(アチャー・・・相当酔ってるぞ、アイツ)
映子は顔を真っ赤にして半分呂律の回らない状態。
それをいいことに、正面に座ったヤリチン新入生の藤田がガンガン酒を勧めてる。
映子もわけわかんなくなってるのか、「イヤダー」とか言いながら藤田の背中をバシバシ叩いたりしてる。
(そろそろ潰れ部屋へ連れてった方がいいな)
合宿所には、大広間とは別に6畳ぐらいの和室、通称『潰れ部屋』があって、酔い潰れた女子部員は、その部屋で先輩の女子部員に介抱してもらうことになっていた。
この日も既に3人の女子が潰れ部屋送りになっていた。
ちょうどその時、俺は尿意を催した。
トイレから帰ってきたら映子を潰れ部屋へ連れて行こうとしてたのだが・・・。
「あれ?小原(映子の苗字)は?」
トイレから戻ってきた俺は素っ頓狂な声をあげた。
「さあ・・・トイレじゃないすか?」と後輩。
(んなバカな。俺がトイレから帰ってくる途中に映子とは会わなかったはず)
ふと見ると、藤田もいない。
嫌な予感がした。
「俺、ちょっと外探してくるわ」
「あ、先輩、自分も手伝うッス」
俺と一緒に飲んでいた後輩2人が俺に従った。
部室、駐車場、テニスコート、講堂・・・。
俺達は彼らの居そうな所を手当たり次第に探し回った。
携帯にも掛けてみたが、呼び出し音はするが出る様子は無い。
「駄目だ、見つかんね~!!」
「藤田の車はあったから、大学の外へは行ってない筈なんスけどねえ」
「合宿所に戻ってみるか」
「そうスね、酔い覚ましでちょっと散歩しただけかもしれないスからねえ」
そうだったら良かったのだが・・・。
俺と後輩2人は合宿所の前まで戻ってきた。
すると・・・。
(ん?)
合宿所の隣の茂みの辺からガソゴソ音がする。
俺は嫌な予感を抱きながら茂みの方へと歩を進めた。
「オマエ、何やってんだ!!」
その時の光景は、今でも目に焼き付いている。
左膝に引っ掛けられたレモンイエローのパンティーの上で、味わうようにゆっくりゆっくり腰を振っている藤田。
奴も酔っているのかしばらくは気がつかなかったようだが、ふと我に返ると、弾かれたように映子から体を離し、土下座を始めた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
今更そんなことされても、もう遅いと言うか、映子から体を離した時、ギンギンに勃起したままの奴のイチモツが、映子の愛液でテラテラ光っていたのを俺は見逃さなかった。
一方で映子は、相当酔っていたせいで何が起こったかまだ気付いていないようだった。
「あ~ん」とか「う~ん」とか半分寝ぼけた声をあげているだけだ。
そして見慣れた白い腹、その下の薄目の恥毛。
こんな状態で目にしたくはなかった。
俺たちの後ろでは、後輩2人が藤田をボコボコにしている所だったが、そんなことはどうでもよくなっていた。
俺は手早く映子に服を着せると合宿所に戻り、潰れ部屋へ直行した。
次の日の朝、合宿所の洗面所で映子と顔を合わせた。
昨日のことは触れない方がいいと思ってはいたのだが、どうしても聞かずにはいられなかった。
「オマエ、昨日のこと覚えてるか?」
「う、うん・・・何となく」
歯切れの悪そうな映子の口から出た言葉は、意外なものだった。
「私、藤田クンに悪いことしちゃったな」
「はあ?」
「あの・・・だって、半分私が誘ったようなもんだし」
怪訝な顔をしている俺をチラッと見て、彼女は言葉を続けた。
「昨日、『外行こう』って誘ったの私なんだ・・・」
この時の俺は客観的に見て、相当間抜けな顔をしていたに違いない。
「あ、あの・・・俺・・・彼氏」
自分を指差した俺は間抜けなピエロだったよ、全く。
完全に裏切られた結果になった。
結局それ以来、映子とはギクシャクして別れてしまったが、女は怖いねえ。
清純そうな顔してたのに、彼氏がいるのに、わざわざ同じサークルの奴をSEXしようって誘うなんて、とんでもないヤリマン女だったわ。