昨日の夜、私は彼の家で夕ご飯を作っていました。
彼の好きなオムライス。
いつもより卵が上手に焼けて、彼が帰ってくるのが待ち遠しかったです。
彼はとろとろ卵が大好きだったから・・・
仕事が終わった彼が帰って来て、一緒にオムライスを食べました。
帰り道にあるケーキ屋さんで私の好きなティラミスを2つ買ってきてくれて、食後に食べました。
そこまでは良かったんです。
それからふたりでテレビを見ていたら、彼が抱きついてきて、そういう雰囲気になりました。
いつも通りに私も彼に身を委ねていました。
彼が私のスカートに手をかけた瞬間、先週末のことが脳裏に浮かび、その手を振り払いました。
彼は急にどうした?みたいな怪訝そうな顔をしてました。
私には、彼にパンツを触らせてはいけない理由があったことを思い出したのです。
そう、私のパンツには穴が開いていたから(´;ω;`)!
ここで話は先週末に遡ります。
先週末、私は会社のトイレの個室の中で、自分のパンツに穴が開いていることに気付きました。
しかも前のほうの、ちょうどおけけがあるら辺w
会社だったこともあり、そのパンツを再び履き、その上にストッキングを履き、平然と仕事を続けましたが、その穴からおけけが少し出てしまっていたので、気持ち悪くて何度もトイレに行って直しましたw
その日の夜、自分のアパートに帰ってから再びパンツを確認すると、穴は広がってました。
その穴からおけけがはみ出ていて、気色悪い感じになっていてひとりで笑ってしまいました。
それを眺めたあと、捨てようかと迷ったけど、柄がお気に入りだったので、アパートにひとりでいる時用にしよう!と考えました。
しかしおけけが見えるのは気色悪い。
結果、パイパンにすることを決意しました。
この時の私は、なんて名案なんだ!と、大喜びでした。
パイパンは3年前くらいしたことあるし、綺麗に出来ました。
これから夏だし、涼しくなってちょうど良かったし、彼に見せるのがちょっと楽しみでした。
前に一度、「パイパンにしてみない?ww」って冗談ぽく言われて、「何言ってんのwきもいwww」と冷たくしてしまったから、ツンデレみたいな感じになるかなーって思ってw
そして昨日、2週間ぶりくらいに彼に会いました。
彼が他県の出張から帰って来たので、大喜びで彼の部屋に行きました。
話は冒頭に戻ります。
お部屋用と決めたパンツをまさか履いて来てしまうなんで、一生の不覚でした。
彼は潔癖?というか、割と綺麗好きなほうだし、ぼろいものを嫌うひとでした。
だから、こんなぼろパンツ見られたら嫌われる!
私はもう必死でした。
彼の怪訝そうな顔を間の前に、私は何か言い訳をしなきゃ!と思い、適当な言い訳をし、ひとりでお風呂に入りました。
穴あきパンツをどうしても見られたくなかった私は、ノーパンのまま彼の高校時代のジャージを履き、彼の部屋に戻りました。
部屋に戻ると、入れ違いに彼がお風呂に入りました。
その隙に、手で握り締めていたパンツを自分のバックの奥底に潜りこませました。
ひと段落つき、私の中で危険回避は完璧だと思いました。
任務完了!そんな気持ちでいっぱいでした。
彼が出てきたら、パイパンを見せてサプライズしよう!と意気込んでいました。
彼が出てくるまで、そわそわしながら待ってました。
どんなシュチュエーションでパイパンをお披露目するか、色々考えました。
彼がお風呂からあがって部屋に来たら、いきなり「パイパンだよ~ん★」って明るいところで見せちゃうか、ベットに入ってから「ねぇ、私パイパンにしたの・・・」としおらしく伝えるか、など考え、彼の驚く顔を想像するとにやにやがとまりませんでした。
ふと、下半身が寒い気がして、私は我に返りました。
お披露目パターンを考えているうちに、わたしは眠ってしまったのです。
そして、さらけ出された下半身。
自分からお披露目する前に、彼に見られてしまったのでした。
ジャージは膝のところまで下がった状態で放置されていました。
部屋の電気は消えていて、彼の寝息がベッドのほうから聞こえてきました。
寝ぼけていた私は自分の状況がよく理解出来ていませんでした。
冷静になって考えればまずいことになっているくらいわかるはずなのに、その時の脳内は、どうやって伝えようかなとわくわくしているままでした。
とりあえず、おろされたジャージを履き直し、彼のいるベットに乗りました。
いつもは仰向けに寝ている彼が、壁の方を向いて腕を組んで寝ていました。
エッチ出来なかったから拗ねちゃったんだな★なんてニヤニヤしながら、後ろから彼の腰に手を回しました。
「ねぇ、私パイ・・・
彼はすごい勢いで私の手を振り払いました。
ねぇ、パイパンにしたの。と言うつもりが驚いて全部言えませんでした。
エッチ出来なかったくらいでそんなに怒らなくてもいいじゃん!と思いましたが、パイパンを伝えるのが先だと思い、グッと堪えました。
再びチャレンジ。
彼の腰に手を置きながら、「怒ってるの?ねぇ、私、パイパンにし・・・
今度はさっきの倍の力で振り払われました。
そして彼が「お前浮気したんだろ」と呟きました。
私が浮気?
私が寝た後、携帯でも見て、何か思ったのかな?男友達とメールはしたけど、浮気っぽい内容のものは無いし。
なんで浮気だと思われたかなんて、全くわからず、笑い飛ばす私。
彼は泣いていました。
彼が泣いているのを見たのは初めてでした。
男が泣くのは母親が死んだときだけだ、と豪語していた彼の涙に驚きを隠せませんでした。
「なんで?浮気なんてしてないよ?なんで?」
私が焦りながら問いただすと、彼は話し始めました。
「お前、前俺がパイパンにしようっていった時、きもいとか言ってひいてたよな。
なのに、なんで今パイパンなんだよ。
誰にパイパンにされたんだよ。
そいつがしろって言えばパイパンにするのかよ。
俺がしてって言ってもしなかったのに。
そんなに好きな奴が出来たんかよ、最悪だよまじで。」
彼は嗚咽まじりでした。
彼があまりにもパイパンパイパン連呼するので、私は笑いを堪えるのに必死でした。
暗いからばれないだろうと思っていました。
「そんなに俺が泣くのがおかしいかああああああああああああああ」
彼が泣きながらキレ始めました。
そこでようやくこっちを向いた彼の顔をとんでもなくぐちゃぐちゃでした。
今にも飛び掛って来そうだったので怖くなった私は、彼に抱きつきましたが、一瞬で引き剥がされました。
「ふざけんな触んなよビッチがあああああああああああ」
彼の勢いは増すばかりです。
こんなに怒っている彼を見たことがなかった私に対処の方法は思いつきませんでした。
「とりあえず落ち着いて」
私は冷静に言ったつもりだったのに、彼の感情を逆なでしてしまいました。
このままじゃ埒があかないと思った私は電気をつけました。
月明かりで見えた彼の顔もぐちゃぐちゃだったけど、蛍光灯で見えた彼の顔は更にぐちゃぐちゃで、私は噴出しまいました。
彼は更に怒り、枕元にあった私の携帯を向かいの壁に投げつけました。
私はそこまでまずい状況だと気付かず、また噴出しました。
彼の怒りは収まらず、私が何を言ってもうるせえとか黙れとか怒鳴るばかりでした。
私がおどおどしていると、彼は自分の携帯をいじり始めました。
5分くらいしてから、彼がぶっきらぼうに言いました。
「今Yさん呼んだから」
Yとは、私の会社の同期の男性です。
私とも、彼とも仲が良く、3人でご飯に行くこともありましたが、私は正直苦手な部類でした。
普段はいい奴なんですが、お調子者で、口がものすごく軽いので、何度か注意したことがありました。
そのYが、今から来るといういのです。
「なんでYさん呼んだの?関係ないじゃん!」
私は少し怒りながら言いました。
すると彼は一呼吸置いて言いました。
「パイパンにしたの、Yさんなんだろ?」
正直何言ってるんだろう彼は?と呆れました。
Yとなんて何にもないし、むしろ苦手なタイプなのに。
「Yなんてありえないでしょ?苦手って言ってるじゃん。」
「でも、俺と付き合う前にYさんから告られてたじゃん。」
彼に言われて思い出しました。
もう2年以上前、私はYに告白されていたのでした。
私は断り、その後Yは後輩のMと付き合っていたので、もうそんなことは忘れていました。
それを思い出した私は、Mがいるしそんな訳がないと言おうとしたら、彼に遮られました。
彼は見透かしたように冷たく言い放ちました。
「Mも呼んだから。」
ええええええええええぇ
私は混乱しました。
Mとは部署が違う為、挨拶程度しか接点がなかったけど、ものすごく可愛い子だと言う認識がありました。
「いやそれはまずいでしょ、こんな深夜に。
きっとYもMも寝てるよ!」
私は2人が来るのは絶対に避けたかったので、必死に彼を説得しようと試みました。
「ふたりでディズニーから帰って来たみたいで、まだ起きてるってよ」
彼は私の目も見ずに言いました。
ディズニーという言葉を聞いた私は、焦りながらも脳内にエレクトリカルパレードが流れてきました。
それから1時間くらい、気まずい雰囲気で2人を待ちました。
彼に何を話しかけてもふーん、あっそなどと冷たい返事しかなく、事の重大さに気付き始めた頃でした。
ピンポーンとチャイムが鳴り、彼がドアを開けました。
そこにはミッキー、ミニーの耳を付けたままの2人の姿がありました。
2人共、未だディズニーの余韻に浸っているようで、本当に幸せそうな笑顔でした。
2人を部屋に入れると、Mが嬉しそうに私に話しかけて来ました。
「ディズニーのお土産ですぅ」
声まで可愛いMは、近くで見ると本当に美少女すぎてびっくりしました。
「今度4人でディズニー行きましょうねぇ!」
本当に幸せいっぱいの笑顔だった、この時までは。
次の瞬間、彼が重い口を開いた。
「それは、ないな」
彼が
彼が言うと、Mは笑顔のまま、私のほうを見た。
「彼氏さん、ディズニー嫌いな人なんですかぁ?」
さっきの通り甘い声で私に話しかける。
私はもう苦笑いしか出来ない。
彼氏は、Mを見てつぶやいた。
「お前がちゃんとしとかないから、Yさんがこいつをパイパンにしたんだよ」
MとYは顔を見合わせていた。
ってか彼氏、YじゃなくてMに言うのかよorz
「何言ってんすか~w酔ってんすか!?www」
Yが彼に絡もうと近づこうとするが、彼に振り払われていた。
驚くM。
「ちょwwwなんなんすかw」
Yも顔が引きつっている。
ここから彼がYとMにさっきの話を説明。
静かに聞いているYとM。
Mは途中から泣き出し、Yは違いますよと連呼。
彼は聞く耳持たずに最後まで説明を終えた。
彼の話が終わるとMは私のほうにクッションやら何やら投げて来ました。
「ひどい!ひどいよおおおぉぉ!」
泣きじゃくる彼女の顔は可愛いまんまでびっくりしました。
美少女は何をしてても可愛い。
YがMを止めようとするとMは更に泣き出しました。
彼は黙ってそれを見てるし、本当にカオスな状態でした。
更にテーブルの上にあったグラスを私めがけて投げようとするMの腕をYが掴むと反動でグラスがYのおでこに直撃しました。
Y、おでこから流血。
慌てるM。
「ごめんね!ごめんねY!」
必死に謝るMの向こうに見えた彼の顔は今にもざまぁと言いたげだった。
「ふざけんなよ!!!」
怒鳴ったのはまさかのYだった。
Yはイケメンだがナルシストで、顔は命なのだ。
泣きじゃくるM。
ほくそ笑む彼。
もうどうにでもなれと思った私に更に追い討ちをかけてきたのはYだった。
「そーっすよ!
俺がパイパンにしたんすよ!
俺が本命で、C(彼)さんは浮気相手でしょ?違うの?ねぇ、A(私)?」
Yが突然手のひらを返したように、捲くし立てた。
もう私は目の前が真っ暗になった。
Mは泣きながら私の髪を引っ張る。
「絶対許さないからああああああああああああああ」
それ以降の記憶がとびとびで、気付いたらYと一緒にコンビニにいた。
それから何故か私はYにくどかれながら帰路につき、ひとりで朝を迎えた。
そして今日、彼に電話したら、もう着信拒否、アドレスも変わっていて、修復不可能なことを悟った。