祐介は、優香の質問にすぐに答えなかった。表情が見えないのでよくわからないが、たぶん緊張したような顔になっているんだと思う。祐介が童貞ということが、いまだに信じられないが、童貞の祐介にとっては千載一遇のチャンスだと思う。
そして俺は、左手にたっぷりと出てしまった精液をティッシュで拭き取った。優香には内緒で、ティッシュを箱ごと隠しておいた俺は、こうなることを予想していたのかもしれない……。
祐介は、優香の質問にすぐに答えなかった。表情が見えないのでよくわからないが、たぶん緊張したような顔になっているんだと思う。祐介が童貞ということが、いまだに信じられないが、童貞の祐介にとっては千載一遇のチャンスだと思う。
そして俺は、左手にたっぷりと出てしまった精液をティッシュで拭き取った。優香には内緒で、ティッシュを箱ごと隠しておいた俺は、こうなることを予想していたのかもしれない……。
『いいよ。変態な圭ちゃんも大好きだもん♡ 次は、もっと喜んでもらえるように頑張るね!』
優香は、クローゼットの中の俺に抱きつきながら言う。俺は、目の前で優香が祐介にフェラチオをするのを見てしまった上に、射精までしてしまった気まずさから、うつむいているだけだった。
そんな俺のペニスを、優香はズボンの上から撫でてくる。
『凄いね。染み出て濡れちゃってるね』
優香はそう言った後、指についた俺の精液を舐めた。
優香は、真面目な子だと思っていた。でも、ここまで真面目だとは思っていなかった。優香の強い希望で、祐介に対して本当に借金を返していくことになってしまった。
学生の頃からの、賭けビリヤード……。でも、それはゲームを盛り上げるための形だけのものだったはずだ。祐介自身も、金ならば捨てるほど持っているので、受け取るつもりなどさらさらなかったはずだ。
「もう、100万くらい行ってるんじゃね?」
祐介があきれたような顔で言った。祐介は、俺の大学のときからの友達で、社会人になった今も親友だ。
「いや、89万5千円だよ。ていうか、また上手くなってないか?」
俺は、スマホのメモアプリを見ながら答えた。祐介とは、大学の頃からビリヤードをよくやった。そして、毎回賭けで勝負をしているが、実際にお金のやりとりはなく、こうやって数字上の金額だけを記録し続けている感じだ。
それにしても、俺もいい負けっぷりだと思う。一勝負500円程度の賭けで、ここまで負けが貯まってしまうということは、俺にはビリヤードの素質はないのかも知れない。
「そろそろ精算するか?」